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中学部ICT美術教育H25
思いを、気持ちを、楽しく、表現しよう ~ICTを活用した美術教育の取組~中学部では、公益財団法人日本教育公務員弘済会福井支部の平成25年度教育文化活動助成事業に申請し、助成校として選考されました。その1年間の成果を以下に報告します。
成果報告
中学部の美術の授業は、生徒の力や特性、障害の程度に配慮して3課程で実施している。その課程を空花課程および雲課程、海課程の名称で呼んでいる。生徒の中には素晴らしい表現力をもつ者がいるが、興味関心に偏りがあったりする者や技術的に表現が難しかったりする者もいる。そこで、手軽で利便性の高さが魅力のタブレット端末を使って授業ができないかと考え、上記のテーマを設定し、各課程で美術の授業に取り組んだ。その成果を報告する。
◆空・花課程「混色の学習」 ...使用アプリケーション:SketchBook Pro
SketchBook Proはスケッチブックに鉛筆で描くような感覚で絵を描くことができ、塗っているときの筆や絵の具の質感が実物と変わらないのが特徴である。生徒は「ぶどう」「毛糸の帽子」の枠の中に基本色をぬった後、少しずつ色や水を加えて色が混ざっていく過程を楽しむと共に、次第に色が変わるのを興味深げに見ていた。指先一本で操作ができるので、生徒は自由に表現することができ、もっともっと描きたいと意欲的に取り組んでいた。
◆雲課程「描画の学習」 ...使用アプリケーション:SketchBook Pro、KeynoteSketchBook Proには、ペンや筆などの多彩なツールがあり、表現豊かな絵を仕上げることができる。生徒はアイコンの操作をすぐに習得し、自由自在に絵を描くことができた。描いている途中で保存ができ、段階を追って描き進めることができるので表現の幅が広がった。描いた絵はテレビ画面やプロジェクターで鑑賞することができるので、文化祭では生徒が描いた絵をKeynoteで編集して、スライドショーにして多くの人に見てもらった。
◆海課程「架空の虫図鑑およびアニメーション作成」 ...使用アプリケーション:Keynote、KOMAKOMA
Keynoteはプレゼンテーションを作成するためのアプリケーションである。また、KOMAKOMAはタブレット端末のタッチパネル操作一つで、直感的にコマ撮りアニメーションを作成できる。生徒が革で制作した昆虫を題材に、Keynoteで架空の虫図鑑と KOMAKOMAで革の虫を使ったアニメーション作成の初歩を経験した。生徒が好きな背景や小道具を選んで撮影したり、空想の生物の特徴を考えたりすることで自分の世界を表現することができた。タブレット端末を使うことで、間違いを訂正することが苦手な生徒もやり直しを受け入れて、落ち着いて活動に集中していた。ま と め
各課程からの報告があったとおり、タブレット端末を使用した学習では、個人の技能を高めたり、自分なりの表現がより可能になったり、と効果があった。生徒の興味関心も高く、授業時間いっぱい集中して取り組めていた。今後もその可能性を広げていきたい。
...授業で作成した作品は、みなみっ子ギャラリーでご覧下さい。